CRS/GDSとは?航空予約システムの仕組みと主要システム比較

CRS/GDSとは?航空予約システムの仕組みと主要システム比較

旅行初心者

旅行代理店の画面に表示される黒い画面のシステムは何ですか?

旅行専門家

それは「GDS(Global Distribution System)」と呼ばれる世界規模の予約・配信システムです。航空券、ホテル、レンタカーなどの在庫情報をリアルタイムで管理し、世界中の旅行会社がアクセスできる巨大なデータベースです。

旅行初心者

GDSとCRSは別のものですか?

旅行専門家

CRS(Computer Reservation System)は各航空会社が自社の予約を管理するシステムで、GDSは複数のCRSを統合して横断的に検索・予約できるシステムです。CRSが発展してGDSになった、という歴史的な経緯があります。

CRS/GDS(予約・配信システム)の基礎知識

CRS(Computer Reservation System)は1960年代にアメリカン航空が開発した「SABRE」が起源です。その後、複数の航空会社のCRSが統合・発展し、ホテルやレンタカーも含む総合的な旅行流通システム「GDS」へと進化しました。現在では、世界の旅行予約の大部分がGDSを通じて処理されています。

世界の主要GDS比較

GDS 本社 特徴 主な利用地域
Amadeus スペイン 世界最大シェア。ヨーロッパに強い 欧州・アジア
Sabre アメリカ 北米最大。AA系列から発展 北米・中南米
Travelport(Galileo/Apollo/Worldspan) イギリス 複数システムを統合 北米・欧州

GDSの仕組みと役割

GDSは、航空会社・ホテル・レンタカー会社などのサプライヤー(供給者)と、旅行代理店・OTAなどのディストリビューター(販売者)を結ぶプラットフォームです。

旅行代理店のスタッフがGDS端末でコマンドを入力すると、世界中の航空会社の空席状況がリアルタイムで表示され、その場で予約・発券が可能です。GDSを通じて作成される予約記録がPNR(旅客名記録)です。

日本のGDS事情

日本の旅行業界では、AmadeusTravelport(Galileo系)が主流です。JTBや近畿日本ツーリストなどの大手旅行代理店は独自のシステムを持ちつつ、GDSにも接続しています。

近年はNDC(New Distribution Capability)という新しい流通規格の普及により、GDSを介さない「ダイレクトコネクト」が増加しています。航空会社が直接自社サイトで販売することで、GDS手数料を削減する動きも広がっています。

GDSとOTA・メタサーチの関係

Expedia、Booking.comなどのOTA(オンライン旅行代理店)も、裏側ではGDSに接続して航空券やホテルの在庫を取得しています。また、スカイスキャナーやトリバゴなどのメタサーチサイトは、複数のOTAやGDSの料金を比較表示する仕組みです。

旅行者が普段利用する予約サイトの裏側では、GDSという巨大なシステムが稼働していることを知っておくと、旅行業界の仕組みがより深く理解できるでしょう。

NDC(New Distribution Capability)の将来展望

航空業界では、従来のGDSに代わる新しい流通規格として「NDC(New Distribution Capability)」が注目されています。NDCはIATAが推進するXMLベースの通信規格で、航空会社がより豊富な商品情報(画像、詳細なサービス内容、バンドル商品など)を旅行会社やOTAに直接提供できるようになります。従来のGDSではテキストベースの限定的な情報しか伝えられなかったのに対し、NDCではリッチコンテンツの配信が可能になります。現在、ルフトハンザグループやブリティッシュ・エアウェイズなど多くの航空会社がNDCを導入しており、GDSを通さない直接販売を強化する動きが加速しています。一方で、旅行会社側のシステム対応やGDS会社の対抗策など、業界全体の移行にはまだ時間がかかる見込みです。将来的には、旅行者がより個人に最適化されたオファーを受けられるようになると期待されています。

よくある質問

Q. 個人でもGDS(CRS)を直接使って航空券を予約できますか?

一般の個人がGDSに直接アクセスして予約することは基本的にできません。GDSはIATA公認の旅行会社や航空会社向けのシステムであり、利用には資格と契約が必要です。個人の方は、航空会社の公式サイトやOTA(オンライン旅行会社)を通じて予約するのが一般的です。これらのサービスは裏側でGDSと接続しています。

Q. GDSの利用にはどれくらいの料金がかかりますか?

GDSの利用料は旅行会社と各GDS会社との契約内容によって異なります。一般的には1予約あたりの発券手数料として数百円~数千円程度がかかりますが、取扱量に応じたインセンティブ(報奨金)が支払われるため、実質的な負担は軽減されます。小規模な旅行会社にとっては固定費も含めると大きなコストとなることがあります。

Q. Amadeus、Sabre、Travelportの違いは何ですか?

三大GDSはそれぞれ強みが異なります。Amadeusはヨーロッパを中心に世界最大のシェアを持ち、Sabreは北米市場に強く、Travelport(Galileo・Worldspan・Apollo)はアジア太平洋地域にも強い基盤を持っています。航空会社の在庫はどのGDSでもほぼ同じですが、ホテルやレンタカーのコンテンツには差があります。

まとめ

  • CRS(Computer Reservation System)は航空会社やホテルの予約を管理するコンピュータシステムです
  • GDS(Global Distribution System)は複数のCRSを統合し、旅行代理店が横断的に予約できる仕組みです
  • Amadeus、Sabre、Travelportが世界の主要GDSとして業界をリードしています
  • OTAの台頭によりGDSの役割は変化していますが、法人旅行や複雑な旅程では依然として重要です
  • 旅行業界で働く上で、CRS/GDSの基本的な知識は必須のスキルとなっています

CRSとGDSは旅行業界のインフラとして長年にわたり重要な役割を果たしてきました。業界の仕組みを理解するために、これらの予約システムの知識をぜひ身につけてください。