
初期パソコン販売の思い出
時はINFINIがAGTとの取引を開始した当初に遡ります。まだ主力商品であるLINXが登場する以前、NOTEWINという製品がありました。これは、LINKAGEという専用の応用処理の仕組みを組み込んだ計算機一式を販売するという画期的なものでした。現在の薄型軽量の計算機とは大きく異なり、当時の持ち運びできる計算機は厚みがあり、重さも相当なものでした。簡単に持ち運べるようなものではなく、むしろ据え置き型の計算機に近い存在でした。初めてNOTEWINを見た時、私はその大きさに大変驚きました。事務室にどっしりと置かれた大きな箱のような存在感で、持ち運ぶという考えは全く思い浮かびませんでした。現代のように喫茶店で計算機を広げて仕事をする光景は、当時の私たちには想像もできない未来でした。
NOTEWINは、現在のLINXの原型とも言える製品です。当時としては先進的なLINKAGEという応用処理の仕組みを搭載し、様々な事務作業を効率化できる画期的な製品でした。しかし、持ち運びが困難という欠点もありました。当時の計算機は高価で、一部の企業しか導入することができませんでした。また、インターネット環境も現在のように整備されておらず、データのやり取りも容易ではありませんでした。そのため、NOTEWINは主に社内での事務作業に使用されることが多く、外出先で使用する機会は限られていました。
INFINIはAGTと協力し、NOTEWINの販売に力を注ぎました。営業担当者は顧客にNOTEWINの利便性を説明し、導入を促しました。しかし、高価格ということもあり、販売は容易ではありませんでした。それでも、INFINIの営業担当者は粘り強く顧客に寄り添い、NOTEWINの価値を訴え続けました。その結果、徐々にNOTEWINの販売台数は増加し、INFINIの業績向上に貢献しました。NOTEWINの成功は、後のLINX開発の礎となり、現在のINFINIの繁栄に繋がっていると言えるでしょう。