主催旅行

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制度

ホテルと旅行会社:知られざる関係

旅の計画を立てる際、色々な会社が窓口になっていることに気付くでしょう。実は旅行会社といっても、仕事の内容によって様々な種類があります。大きく分けて、旅の企画から実施まで全てを取り仕切る会社と、他の会社が企画した旅を販売する会社の二種類があります。前者は主催旅行業者、後者は代理旅行業者と呼ばれています。 主催旅行業者とは、まるで総合演出家のように、行き先や日程、宿泊施設、交通手段などを全て決め、参加者を募って旅全体を運営する会社です。例えば、テレビでよく見る華やかな海外旅行や、特定のテーマに沿ったユニークな国内旅行などを企画・実施しています。一方、代理旅行業者は、既に用意された旅のプランを販売する会社です。いわば、旅行商品の販売店のような役割を果たしています。旅行者の希望に合わせて最適な旅を紹介し、予約や手配などの手続きを代行します。街で見かける旅行代理店は、ほとんどがこの代理旅行業者にあたります。 さらに、主催旅行業者の中には、全ての業務を自社で行う会社だけでなく、一部の業務を他の会社に委託する会社もあります。例えば、有名なホテルの名前を冠した旅行会社があります。一見、そのホテルが直接旅を企画・実施しているように見えますが、実際には別の旅行会社に業務を委託しているケースもあるのです。これはホテルの委託旅行業者と呼ばれ、法律でも定められています。ホテルは宿泊施設のプロですが、必ずしも旅行業務全体に精通しているわけではありません。そこで、専門の旅行会社に委託することで、質の高い旅行を提供しつつ、自社の負担を軽減できるのです。旅行者にとっても、ホテルの信頼性と旅行会社の専門知識、両方の恩恵を受けることができます。このように、様々な種類の旅行会社が複雑に連携し合いながら、私たちの旅を支えているのです。