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宿泊数の謎:ウォッシュの実態

旅の計画を立てる仕事でよく耳にする『ウォッシュ』という言葉は、大勢で一緒に移動する旅行の予約に関して、最初に確保しておく部屋の数と、実際に泊まる人の数の差を表すものです。旅行を企画する会社は、ツアーの内容を決める際に、どれくらいの人が参加しそうかを予想して、ホテルに一定数の部屋をあらかじめ確保しておきます。この、最初に確保しておく部屋の数のことを団体ブロックといいます。しかし、実際にツアーを売り出してみると、最初の予想よりも参加者が少なくなる場合があります。この、最初に確保した部屋の数と実際に泊まる人の数の差がウォッシュとなり、予約しておいたにもかかわらず、空室が出てしまうのです。ウォッシュは、旅行を企画する会社にとっては大きな損失につながる可能性があります。なぜなら、団体ブロックとして確保しておいた部屋は、たとえ誰も泊まらなくても、あらかじめ決めた料金を支払わなければならないことが多いからです。つまり、使わなかった部屋に対してもお金を払わなくてはならないということです。 例えば、100人の参加を見込んで100部屋を確保していたのに、実際の参加者が80人だった場合、20部屋分のウォッシュが発生し、この20部屋分の料金を支払わなければならない可能性があります。これは旅行会社にとって大きな負担となります。また、ウォッシュが発生すると、ホテル側も本来であれば得られたはずの宿泊料金を失うことになります。ホテル側は空室を埋めるために、他の予約を受け付けることができなくなるからです。ウォッシュは、旅行会社とホテルの双方にとって望ましいものではありません。ウォッシュの発生は、旅行業界でどれくらいの人々が旅行に参加したいかを正確に予想することが難しいということを示しています。旅行会社の担当者は、過去のデータや現在の状況を分析し、より正確な需要予測を行うことで、ウォッシュを減らす努力をしています。また、キャンセル料の設定や、早期予約割引などの販売戦略によって、参加者の数を安定させる工夫も凝らしています。このように、ウォッシュは旅行業界にとって重要な課題であり、関係者たちは様々な対策を講じています。
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日本ホテル協会:その歴史と役割

日本の宿泊業界を代表する団体、日本ホテル協会。その始まりは今から百年以上も昔、明治四十二年にまで遡ります。「日本ホテル組合」という名前で産声を上げたこの組織は、近代化の波に乗り、西洋文化の影響を色濃く受けていた当時の日本の姿を映し出しています。 明治という時代、海外からの賓客は増加の一途を辿っていました。しかしながら、彼らを迎え入れるための宿泊施設は数が足りず、その質も十分とは言えない状況でした。そこで、国としても宿泊施設の整備は急務であり、ホテル業界の発展が強く求められていました。このような時代の要請に応えるように、ホテル経営者たちは集まり、互いに知恵を出し合い、支え合うための組織を作ろうと立ち上がりました。こうして誕生したのが日本ホテル組合、今の日本ホテル協会の始まりです。 当時のホテル事業は産声を上げたばかりで、経営のやり方も確立されていませんでした。ホテルの数もまだ少なく、経営者たちは手探りで事業を進めていたのです。そのような中で設立された日本ホテル組合は、経営者たちの情報交換の場として、また、互いに助け合うための組織として大きな役割を果たしました。組合という形で力を合わせることで、業界全体の質を高め、発展させていくことが可能になったのです。 先人たちの努力と協力の精神は、脈々と受け継がれ、今の日本ホテル協会の礎となっています。明治時代に産声を上げた小さな組織は、時代と共に成長し、日本のホテル業界を支える大きな団体へと発展しました。そして、これからも日本の宿泊業界の発展に貢献していくことでしょう。
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団体予約の管理術:ウオッシュ機能活用

旅の計画を立てる仕事をしていると、たくさんの人が一度に予約を入れる団体予約は、大きな収入源となる一方、管理がとても大変です。特に、予約が確定したり、キャンセルになったりする状況が重なると、実際に使える部屋の数を正しく把握することがとても重要になります。この複雑な状況を整理し、部屋の管理をスムーズにするために、「団体洗い」と呼ばれる方法が使われています。 これは、まるで洗濯をするように、予約状況をきれいに整えるという意味です。 団体洗いは、まず団体予約の状況を一覧で確認することから始まります。誰がいつ、何部屋予約しているのか、キャンセル待ちの人はどれくらいいるのかなど、全ての情報を集めます。次に、キャンセルが出て空いた部屋があれば、キャンセル待ちの人の予約を確定します。この時、予約の順番や人数、部屋の種類などを考慮しながら、出来るだけ多くの人に気持ちよく泊まってもらえるように調整することが大切です。 また、予約の変更や追加があった場合も、すぐに対応して情報を更新します。 団体洗いを上手に行うためには、常に最新の予約状況を把握し、迅速に対応することが重要です。そのためには、使いやすい予約管理システムを導入したり、担当者同士がこまめに連絡を取り合ったりするなど、工夫が必要です。 団体洗いを活用することで、空室を減らし、収入を増やすことができます。また、予約管理の手間を省き、担当者の負担を軽くすることもできます。さらに、お客様に快適な宿泊を提供することで、満足度を高めることにも繋がります。つまり、団体洗いは、旅行業界で働く私たちにとって、なくてはならない大切な作業と言えるでしょう。
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安心安全な宿選び:全旅連の役割

昭和三十三年、全国津々浦々の旅館やホテルに関わる環境衛生組合を一つにまとめる組織として、全国旅館環境衛生同業組合連合会(全旅連)が誕生しました。当時の宿泊施設を取り巻く環境は、衛生管理の基準が曖昧で、施設によってその水準にばらつきがあるなど、旅行者にとって必ずしも安心安全な環境とは言えない状況でした。こうした背景から、全旅連は設立当初から、宿泊施設における衛生管理の基準を明確化し、徹底的な遵守を促すという使命を掲げて活動を開始しました。 具体的には、施設内の清潔さを保つための清掃方法の指導や、食品衛生に関する知識の普及、そして適切な衛生設備の導入支援などを通して、利用者の皆様が安心して宿泊できる環境づくりに尽力してきました。また、時代と共に変化する旅行者のニーズや、感染症対策といった新たな課題にも積極的に対応し、常に最新の衛生管理基準を提示することで、宿泊業界全体の質の向上に貢献しています。 全旅連の活動は、単に衛生管理の向上に留まりません。衛生管理の徹底は、旅館やホテルの経営の安定化に繋がり、ひいては地域経済の活性化にも寄与します。さらに、公衆衛生の向上という観点からも、その役割は極めて重要です。近年では、持続可能な観光のための環境保全への取り組みや、高齢化社会における宿泊施設のバリアフリー化の推進など、その活動範囲は広がりを見せています。 全旅連は、誰もが安心して快適に旅行を楽しめる社会の実現を目指し、これからも宿泊業界の健全な発展を支え続けます。
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国際ホテル協会:世界のホテル事情

国際ホテル協会(IHA)は、世界の人々が安心して国境を越えて行き来できる環境を作る一助となるべく、1946年に設立されました。この年は、第二次世界大戦が終結した翌年にあたり、疲弊した世界経済の立て直しと、国と国との交流を盛んにすることが、喫緊の課題となっていました。人々の移動と交流を支えるホテル産業の復興と発展は、この課題解決に欠かせないと考えられ、IHA設立の機運が高まったのです。 IHAは設立当初から、ホテルの質を高め、サービス内容を統一し、そこで働く人々の教育水準を向上させるなど、様々な活動を通して、世界規模のホテルの繋がりを築くことに力を注いできました。具体的には、各国政府や国際機関と連携を取りながら、ホテル業界全体が抱える問題解決に取り組み、国際的な観光の振興に貢献してきました。 IHAは、世界中のホテル経営者や関係者が一堂に会し、情報を交換し合い、協力関係を築く場としての役割も担っています。異なる文化や習慣を持つ人々が、安心して快適に過ごせるよう、ホテルの設備やサービスの向上、安全対策の強化などに、共に知恵を出し合っています。 IHAの活動は、ホテル業界の発展のみならず、国際社会全体の進歩にも大きく寄与しています。世界各地のホテルが加盟し、互いに助け合うことで、より快適で安全な旅行環境が整い、国と国との理解と友好関係を深めることにも繋がっているのです。 IHAは設立以来、世界中のホテルと連携し、業界全体の底上げに尽力してきました。これからも、変化する社会の状況に合わせながら、国際ホテル業界を導く存在として、重要な役割を果たしていくことが期待されています。
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旅館の国際化:国観連から旅館協会へ

かつて、日本の旅館が世界からの旅行者を増やすために、国際観光旅館連盟(国観連)という団体がありました。高度経済成長期以降、海外からの旅行者が増え、日本の伝統的な宿泊施設である旅館にも国際的な水準が求められるようになったことが設立の背景です。 国観連は、旅館が国際基準に合うように、そして海外への広報活動などを進める上で大切な役割を担っていました。具体的には、様々な国のことばで書かれた案内表示を作ったり、外国の旅行者のためのサービスを良くするための研修を行ったり、海外の旅行博覧会に出展したりすることで、旅館が国際的になるよう支援していました。旅館の経営者にとって、国観連は大切な情報源であり、国際市場への入口でもありました。海外の旅行会社との繋がりを作ったり、世界の旅行の動向に関する情報を提供したりすることで、旅館が世界に広がるための手助けをしていました。 国観連は、旅館同士の協力も深めるようにしていました。情報交換や研修会を開くことで、旅館全体のサービス向上を目指し、お互いに高め合える環境づくりに貢献していました。例えば、外国人旅行者の受け入れに関する成功事例や課題を共有したり、多言語対応の接客マニュアルを作成・配布したりすることで、旅館全体のサービスレベル向上に寄与していました。また、地域ごとの特色を活かした旅館の連携を促進し、新たな観光ルートの開発や共同プロモーションなども行っていました。 世界との繋がりを深める観光業界において、国観連は日本の旅館が世界を知り、成長していく上で大切な役割を担っていました。近年はインターネットの普及や他の団体との統合などにより国観連自体はなくなりましたが、その精神は今も日本の旅館業界に受け継がれています。旅館が国際的な魅力を高め、世界中の人々にもっと日本の文化やおもてなしを体験してもらうため、様々な取り組みが今も続けられています。
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アメリカの空の旅を支えるA4A

空の旅を支える仲間たちという団体についてご紹介します。この団体は、アメリカの航空会社が集まった、いわば、空の旅を応援する会のようなものです。正式には「アメリカの空の旅を支える仲間たち」といい、以前は「空の旅を運ぶ仲間たちの会」という名前で活動していました。今から約90年前の1936年に設立されてからずっと、アメリカの空の旅がより良くなるように、様々な活動を行っています。 活動の拠点はアメリカの首都、ワシントンにあります。この仲間に加わっている航空会社や、その仲間の会社は、アメリカの空の旅を支える大切な役割を担っています。アメリカの空を飛ぶ旅客機や貨物機のほとんど、なんと全体の9割以上がこの仲間たちの飛行機です。ですから、この団体が空の旅に与える影響はとても大きいのです。 「空の旅を支える仲間たち」は、飛行機が安全に、そして無駄なく飛べるように、日々努力を重ねています。また、空の旅を利用する人々が気持ちよく旅ができるよう、サービスの向上にも力を入れています。さらに、国と話し合って、空の旅に関するルール作りにも参加し、航空業界全体が元気に成長していけるよう、様々な提案も行っています。 このように、「空の旅を支える仲間たち」は、私たちが安全で快適な空の旅を楽しめるように、そして、アメリカの経済が発展していくように、様々な活動を続けています。まさに、空の旅を陰で支える、なくてはならない存在と言えるでしょう。