
パスポート紛失時の強い味方:帰国のための渡航書
海外を旅する時、誰もが望まない出来事の一つに、大切な旅券であるパスポートの紛失があります。スリなどの盗難や、自身の不注意によってパスポートをなくしてしまうと、自分の身元を証明するものがなくなり、無事に帰国することが難しくなります。このような予期せぬ困難な状況に陥った時、大きな助けとなるのが「帰国のための渡航書」です。
この渡航書は、パスポートを紛失したり、火事などで焼失してしまったり、盗難に遭うなどして手元にない日本人が、日本へ帰るために在外公館で発給を申し込むことができる大切な公文書です。いわば、パスポートの代わりとなるもので、これがあれば日本への帰路が開けます。
具体的には、この渡航書を提示することで、航空会社で飛行機に乗るための手続きを行うことができ、無事に日本に到着した後も、入国審査を受けることができます。パスポートがない状態では、飛行機にも乗れず、日本に入国することもできません。ですから、この渡航書は、海外でパスポートを失ってしまった人にとって、まさに心強い味方と言えるでしょう。
ただし、この渡航書はあくまでも日本に帰るための一時的なものです。日本に到着したら、速やかに住所地の都道府県パスポートセンターで新しいパスポートを申請する必要があります。帰国のための渡航書は、パスポートの代替として一時的に帰国を可能にするものであり、そのまま海外旅行を続けることはできません。また、渡航書の有効期間は、発給日から数えて、原則として10日以内と定められています。帰国後、すみやかに正式なパスポートを取得するようにしましょう。