
団体予約の最終調整:ウォッシュとは?
宿泊施設の業界では、「ウォッシュ」または「ウォッシュダウン」と呼ばれる用語があります。これは、団体のお客様の予約において、最初に確保していた部屋の数と、実際に使われた部屋の数の差を表す言葉です。
最初に確保する部屋の数は、大きく分けて二つの方法で決まります。一つは、団体のお客様と最初に相談した際に仮押さえした部屋の数です。もう一つは、契約時に最終的に確定した最低限利用する部屋の数です。いずれの場合でも、実際に使われた部屋の数がこの数を下回った場合、その差をウォッシュといいます。
この差が生じる理由は様々です。例えば、参加者の都合が悪くなり、予約が取り消される場合があります。また、急な予定変更で参加できなくなる場合もあります。さらに、他の宿泊施設に変更する参加者もいるかもしれません。このように、参加者の個人的な事情によってウォッシュが発生するケースが多く見られます。
ウォッシュは、宿泊施設の経営に大きな影響を与えます。なぜなら、ウォッシュは直接的に収益の減少につながるからです。最初に予定していた部屋の数だけ収益が見込めていたにも関わらず、実際に使われた部屋の数が少なければ、その分だけ収益が減ってしまいます。さらに、空いてしまった部屋を他の予約で埋めることができなかった場合、本来得られたはずの収益を失うことになります。これは、宿泊施設にとって大きな損失です。
そのため、宿泊施設側はウォッシュをできるだけ少なくするために、様々な工夫をしています。例えば、予約状況を細かく確認し、キャンセルが出た場合はすぐに他の予約で埋められるように対応しています。また、団体のお客様と密に連絡を取り合い、参加者の人数変更などの情報を早期に把握するように努めています。このように、ウォッシュを最小限に抑えるための対策は、宿泊施設の経営にとって重要な課題となっています。