寝台

クシェットとは、フランスをはじめとするヨーロッパ各国で運行されている列車の中で見られる簡易寝台のことです。一般的な寝台車両と比べると設備は簡素ですが、宿泊費を抑えられるという大きな利点があります。寝台車両は個別の部屋になっていることが多いですが、クシェットは基本的に相部屋です。そのため、周りの目を気にせずに済むような環境とは言えませんが、他の乗客との交流の機会にも恵まれます。また、通常の座席よりもゆったりと足を伸ばせるので、長時間の列車移動でも快適に過ごせます。特に夜行列車を使う場合には、ホテル代を節約できるという点で経済的です。 クシェットの寝台は、二段ベッドまたは三段ベッドになっていることが一般的です。毛布や枕などの寝具は用意されていますが、タオルや洗面用具などは自分で用意する必要があります。列車や区間によっては、コンセントや読書灯が備え付けられている場合もあります。相部屋となる他の乗客の性別や国籍は選ぶことができませんので、ある程度の許容力が必要です。プライバシーを重視するのであれば、追加料金を支払って個室の寝台車両を利用する方法もあります。 クシェットは予約が必要となる場合がほとんどです。特に観光シーズンには満席となることも多いため、早めの予約をおすすめします。インターネットで予約できる場合もありますが、現地の駅窓口で予約する必要がある場合もあります。予約時に座席の位置を指定できる場合もありますが、指定できない場合もあります。クシェットを利用することで、列車での移動時間を有効に活用し、体力的にも経済的にも負担を軽減することができます。初めてのヨーロッパ旅行で費用を抑えたい方、他の旅行者と交流したい方、列車での移動を快適にしたい方などに、クシェットはおすすめです。