
収益最大化:イールドマネジメント入門
利益を生み出すための大切な考え方、それが「実り」です。 これは、使ったものに対して、どれだけのものが返ってくるのかを示すものです。旅行の仕事では、飛行機の座席やホテルの部屋、旅行プランといった限られたものを、いかにうまく売って利益を大きくするかが重要になります。
この「実り」を高くするには、一つ一つの便で、また一人一人のお客様から、より多くの収入を得ることが大切です。同じ飛行機を飛ばすときでも、ただ乗る人の数を増やすだけでなく、より高い料金を払ってくれるお客様を増やすことで、「実り」はよくなります。
例えば、飛行機の座席を百席用意したとします。満席にすることだけを考えれば、早期に安く販売することで席を埋めることができるでしょう。しかし、「実り」を重視するのであれば話は別です。早期割引で埋まる席を減らし、通常料金や直前割増料金で販売する席数を増やすことで、同じ満席でもより高い収入を得ることができるのです。また、席を広くして快適性を高めた座席を、少し高い料金で提供するのも良いでしょう。早期割引で販売する席数を減らし、通常料金や直前割増料金、そして、より快適な座席を導入することで、搭乗者数は減るかもしれません。しかし、一人あたりから得られる収入が増えれば、「実り」は高まり、結果として利益も大きくなるのです。
ホテルの部屋でも同じです。ただ泊まる人の数を増やすのではなく、より高い料金の部屋を予約してくれるお客様を増やすことが大切です。そのためには、部屋の質を高めたり、特別なサービスを付けたりすることで、お客様に「この値段を払う価値がある」と思ってもらう工夫が必要です。
このように、「実り」を高めるには、ただ数を売るだけでなく、価格設定や販売方法を工夫し、限られた資源を最大限に活かすことが重要です。旅行の仕事では、この「実り」という考え方が、経営を成功させるための重要なものとなるでしょう。