
旅行代理店の経理業務の裏側:ACMとは?
旅行代理店を通して飛行機の切符を買う人は少なくありません。代理店は航空会社から切符を仕入れて、私たちに販売しています。この仕入れと販売の過程で、時には金額の行き過ぎた計算が起こることがあります。これを過剰計上と呼びます。
例えば、あなたが旅行の予定を変更して、既に買った飛行機の切符をキャンセルしたとしましょう。代理店は航空会社に返金の手続きを行います。ところが、コンピューターの仕組みなどの都合で、本来返ってくるべき金額よりも多く計算されてしまうケースが、ごくまれにですが存在します。
このような場合、代理店は航空会社に多く計算された金額の払い戻しを求めます。この払い戻し請求のことをACM(代理店精算書)と呼びます。英語ではAgency Credit Memosと言います。
ACMは、旅行代理店の会計処理で重要な役割を担っています。代理店は、仕入れた切符の代金を航空会社に支払います。私たちが代理店から切符を買うと、そのお金は代理店に入ります。切符がキャンセルされると、航空会社は代理店にお金を返します。このお金の流れの中で、少しでも計算違いがあると、代理店と航空会社の間で金銭のバランスが崩れてしまいます。
ACMによって過剰計上分を調整することで、代理店と航空会社の間で正しいお金のやり取りを維持することができます。ACMは、旅行代理店が適切な会計処理を行う上で、なくてはならない仕組みの一つと言えるでしょう。