
国際航空運賃の基礎:IATA地域の分類
海外への旅を計画する上で、旅費の大きな部分を占めるのが飛行機代です。この飛行機代は、様々な理由で価格が変わりますが、行き先がどの地域にあるのかも、その理由の一つです。飛行機の運賃を決める国際的な組織である国際航空運送協会(IATA)は、世界を大きく三つの地域に分けています。この地域分けは、飛行機業界では「IATA地域」もしくは「交通会議地域」と呼ばれ、それぞれTC1、TC2、TC3と番号が付けられています。これらの地域分けは、単に場所だけでなく、歴史や経済的なつながりも考えて決められています。
TC1は南北アメリカ大陸、ハワイ諸島、カリブ海諸島などから構成される地域です。広大な土地を有するアメリカ合衆国をはじめ、カナダやブラジルといった国々も含まれます。TC2はヨーロッパ、中東、アフリカの大部分、そしてロシア西部を含む地域です。歴史的に結びつきの強いヨーロッパ諸国に加え、文化的に多様な中東、アフリカ諸国、広大なロシアの西側地域が含まれています。TC3はアジアの大部分、オーストラリア、ニュージーランド、そして太平洋の島々から成る地域です。経済成長が著しいアジア諸国、自然豊かなオーストラリアやニュージーランド、そして数多くの島々からなる太平洋地域が含まれます。
これらの地域分けは、飛行機の運賃を決める上で重要な役割を果たします。例えば、同じ距離であっても、異なる地域間を移動する場合、地域内を移動する場合に比べて運賃が高くなる傾向があります。これは、それぞれの地域内の国々との間の歴史的なつながりや経済的な結びつきが影響しているためです。また、各地域内の競争状況や需要と供給のバランスも運賃に影響を与えます。つまり、旅行計画を立てる際には、目的地がどのIATA地域に属しているのかを理解しておくことが重要です。それぞれの地域の特性を理解することで、より適切な予算計画を立て、賢く旅費を抑えることができるでしょう。