
旅行初心者
訪日外国人がどんどん増えていると聞きますが、2026年もホテルは混み続けているんでしょうか?

旅行専門家
公的な統計を見ると、2025年は過去最多の4,268万人でしたが、2026年は1〜8月の累計で前年をやや下回っています。ホテルの稼働率も施設タイプによって動きが違うので、数字を確かめながら見ていきましょう。
訪日外国人の動向と日本のホテル事情|2026年の統計で見る
日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計と、観光庁の宿泊旅行統計調査・インバウンド消費動向調査をもとに、訪日外国人の人数、ホテル・旅館の宿泊者数と客室稼働率、旅行消費額の最新の数字を整理します。2026年の数値の多くは推計値・速報値で、今後改定される可能性がある点にご注意ください。
訪日外国人旅行者数の最新動向
2025年は年間4,268万人で過去最多
JNTOによると、2025年の訪日外客数は42,683,301人で、前年比15.8%増でした。2024年の36,870,148人を上回り、統計上の過去最多となっています。新型コロナウイルス感染症の影響で2021年には約25万人まで落ち込みましたが、2023年以降に急回復し、2025年は2019年(約3,188万人)を大きく超えました。
「訪日外客数」の数え方と推計値・暫定値
JNTOの訪日外客数は、法務省の出入国管理統計をもとに算出されています。外国人正規入国者から日本を主な居住国とする永住者等を除き、寄港地上陸や通過上陸、船舶観光上陸の外国人を加えた数です。観光客だけでなく、駐在員やその家族、留学生などの入国者も含まれ、航空機や船舶の乗員は含まれません。
毎月の数字は、まず総数と一部の国籍別の概数を示す「推計値」として発表され、およそ2か月後に国籍別の細かな数字や目的別の内訳を含む「暫定値」に置き換えられます。年間の確定値はさらに後に公表されるため、同じ月でも発表時期によって数字が変わることがあります。
2026年1〜8月は前年をやや下回る
2026年に入ってからは、月によって前年を上回ったり下回ったりしています。1〜8月の累計は27,626,300人(推計値)で、前年同期の28,384,099人と比べて2.7%減です。月別の数字は次のとおりです。
| 月 | 2025年 | 2026年 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 3,781,629人 | 3,597,881人 | -4.9% |
| 2月 | 3,258,491人 | 3,466,848人 | +6.4% |
| 3月 | 3,497,755人 | 3,619,159人 | +3.5% |
| 4月 | 3,909,128人 | 3,692,364人 | -5.5% |
| 5月 | 3,693,587人 | 3,560,256人 | -3.6% |
| 6月 | 3,377,985人 | 3,148,754人 | -6.8% |
| 7月 | 3,437,118人 | 3,442,100人(推計値) | +0.1% |
| 8月 | 3,428,406人 | 3,098,900人(推計値) | -9.6% |
※2026年1〜6月は暫定値、7・8月は推計値。2025年の月別値は2026年9月時点のJNTO公表資料による。
国・地域によって増減が分かれている
全体では前年を下回っているものの、国・地域別の動きは大きく異なります。2026年1〜8月の累計(推計値)では、韓国が約742万人(前年同期比21.2%増)、台湾が約540万人(同19.8%増)、香港が約182万人(同8.7%増)と増えた一方、中国は約290万人(同56.7%減)と大きく減少しました。
JNTOは2026年8月の発表で、東アジアや欧米豪・中東を中心に夏季休暇に合わせた訪日需要が見られ、韓国、台湾、米国、フランスなど14市場で8月として過去最高を記録したと説明しています。一方で、東南アジアでは需要が落ち着く時期であることに加え、航空便の減便や台風による欠航もあり、一部の市場で前年を下回ったとしています。
ホテル・旅館の宿泊者数と客室稼働率
外国人延べ宿泊者数は前年同月を下回る
観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2026年8月(第1次速報)の外国人延べ宿泊者数は1,264万人泊で、前年同月比10.3%減でした。2026年7月(第2次速報)は1,331万人泊で、同6.5%減です。日本人を含む延べ宿泊者数全体も、8月は6,268万人泊(同6.7%減)となっています。
なお、この調査は2026年1月分から標本の層化基準を「従業者数」から「客室数」に変更しており、観光庁は前年比に見直しの影響が含まれている可能性があると注記しています。また、8月の数値は2026年10月30日公表予定の第2次速報で改定される予定です。
施設タイプ別の客室稼働率
2026年8月(第1次速報)の客室稼働率は全体で64.4%でした。施設タイプ別に見ると、ビジネスホテルとシティホテルが7割を超える一方、旅館は前年より上昇しています。
| 施設タイプ | 客室稼働率(2026年8月) | 前年同月差 |
|---|---|---|
| 全体 | 64.4% | -1.3ポイント |
| 旅館 | 47.4% | +1.7ポイント |
| リゾートホテル | 66.9% | -0.6ポイント |
| ビジネスホテル | 75.7% | -0.7ポイント |
| シティホテル | 72.3% | -3.0ポイント |
| 簡易宿所 | 36.2% | -2.9ポイント |
三大都市圏と地方部の違い
2026年7月(第2次速報)の外国人延べ宿泊者数を地域別に見ると、三大都市圏(埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫)が前年同月比9.2%減だったのに対し、地方部は0.9%減にとどまりました。日本人を含む延べ宿泊者数全体でも、三大都市圏を除く地方部のシェアは58.4%で、前年同月から1.9ポイント上昇しています。
訪日外国人の旅行消費と宿泊費
観光庁のインバウンド消費動向調査によると、2026年4〜6月期(1次速報)の訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円で、2025年同期比0.2%増とほぼ横ばいでした。国・地域別では米国が3,848億円で最も多く、台湾、中国、韓国、香港が続きます。
費目別の構成比では宿泊費が37.0%と最も大きく、買物代(26.8%)、飲食費(21.7%)の順です。訪日外国人(一般客)1人当たりの旅行支出は24万4千円と推計されています。旅行者数が前年を下回る中でも消費額が横ばいだったことから、1人当たりの支出が支えになっていることがうかがえます。
統計を踏まえたホテル選びのポイント
都市部のビジネスホテル・シティホテルは早めに確保
稼働率が7割を超えるビジネスホテルやシティホテルは、連休や大型イベントの時期に満室になりやすい傾向があります。日程が決まったら早めに予約し、キャンセル規定を確認しておくと安心です。料金は需要に応じて変動する設定のホテルが多いため、複数の日程で比較してみるのもよいでしょう。
地方や旅館にも目を向ける
宿泊者数の統計では地方部のシェアが高まっており、旅館の稼働率も前年を上回っています。都市部の混雑を避けたい場合は、地方の温泉地や旅館を候補に入れると、選択肢が広がります。
最新情報は公式発表で確認する
訪日外客数や宿泊統計は毎月更新され、速報値はのちに改定されます。旅行計画や仕事で数字を使うときは、JNTOや観光庁の最新の発表を確認するようにしましょう。
よくある質問
Q. 2025年の訪日外国人旅行者数は何人でしたか?
日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計によると、2025年は42,683,301人で、前年比15.8%増の過去最多でした。
Q. 2026年も訪日外国人は増えていますか?
2026年1〜8月の累計は27,626,300人(推計値)で、前年同期比2.7%減です。韓国や台湾などは増えている一方、中国からの訪日客が大きく減っており、市場によって動きが分かれています。
Q. ホテルの客室稼働率はどのくらいですか?
観光庁の宿泊旅行統計調査(2026年8月・第1次速報)では、全体で64.4%、ビジネスホテルが75.7%、シティホテルが72.3%、旅館が47.4%でした。速報値のため、今後改定される可能性があります。
Q. 推計値と暫定値はどう違いますか?
JNTOは毎月の訪日外客数を、まず総数と一部の国籍別の概数を示す推計値として発表し、その後、国籍別の1の位までの数値と目的別の数値を含む暫定値として改めて公表します。記事中の2026年7・8月の数字は推計値のため、今後変わる可能性があります。
Q. 訪日外国人はどのくらいお金を使っていますか?
観光庁のインバウンド消費動向調査(2026年4〜6月期・1次速報)では、旅行消費額は2兆5,096億円、一般客1人当たりの旅行支出は24万4千円でした。費目別では宿泊費が37.0%で最も大きな割合を占めています。
まとめ
- 2025年の訪日外客数は42,683,301人(前年比15.8%増)で過去最多となった。
- 2026年1〜8月の累計は27,626,300人(推計値)で前年同期比2.7%減。韓国・台湾は増加、中国は大幅に減少している。
- 2026年8月の外国人延べ宿泊者数は1,264万人泊(第1次速報、前年同月比10.3%減)。客室稼働率は全体64.4%で、ビジネスホテル・シティホテルは7割を超える。
- 2026年7月の外国人延べ宿泊者数は、三大都市圏より地方部の減少幅が小さかった。
- 2026年4〜6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円で、宿泊費が37.0%を占める。
訪日外国人の数は2025年に過去最多となった後、2026年は国・地域によって増減が分かれる展開になっています。ホテルを予約する際は、都市部の混雑しやすい時期を避けたり、地方の宿にも目を向けたりしながら、最新の統計や各施設の情報を確認して計画を立てましょう。
数値は、日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計(2026年8月推計値、2026年9月16日発表)、観光庁の宿泊旅行統計調査(2026年8月・第1次速報、7月・第2次速報、2026年9月30日発表)、インバウンド消費動向調査(2026年4-6月期・1次速報、2026年7月15日発表)にもとづいています。









